【弁護士が教える対処法】修理不能の場合

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2 物損事故

修理不能の場合

修理が不能の場合 には、その被害にあった物の時価が損害となります。しかし、この時価とは、いわゆる、小売価格ではなく、減価償却された金額です。
減価償却とは、自動車は使用し続けることで当然購入当時よりも価値が減少してきますが、その減少した価値分の金額を、購入当時の金額から控除することです。
従って、受取った損害賠償金で、前と同じ物を買うことはできませんので,注意が必要です。

交通事故により,修理が不能なほど破損したときに,代車購入費用が損害とされる裁判例が散見されます。
しかしながら,具体的には,エンジンやシャーシ取替を始めとして,ほとんど全部の部品について取替,修理を必要とする程度にまで至って,初めて代車購入費用が損害として認められるとした裁判例があります。
ここで,気をつけなければならないのは,事故車であっても,通常は,下取りされることから,その下取り代金(売却代金。一般的にはスクラップ代金)を差し引かれることです。

裁判例の中にも,新車価格と売却代金の差額を認めたものや,事故当時の価格と売却代金の差額を認めたものがあります。

○ 私が初めて買った車両が全損となりました。私は,非常に悲しい思いをしています。このような場合でも,慰謝料は認められますか。

原則として,認められません。

物的損害に関する慰謝料は,原則として認められません。
裁判例の中には,車両損害について,慰謝料を請求しうるには,被害者の特別な愛情や精神的平穏を強く害するような特段の事情が存在することが必要であるとした判決があります。

認められた例としては,霊園内の墓石等に衝突した交通事故の場合があります。
一般的には,難しいと考えてください。

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(大阪の弁護士から一言)

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物損だからと遠慮することはありません。物損段階で,中途半端な和解や不利な和解をすることによって,人身部分での損害賠償請求が減額されることもあるのです。

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