12 健康保険
社会保険とも呼ばれます。皆様もご存じの通り、通常、通院された場合に利用するものです。被害者が治療を受けた際、一部負担金(医療費の3割)を支払いますが、それ以外は、保険者である国及び健康保険組合から支払われます。
交通事故によるけがの治療には健康保健が使用できないと言われます。ときには病院で、そのような説明をすることがありますが、これは誤りです。
病院は治療方法に制限のない自賠責保険を使用したがるので、このような話が出ると思われます。
健康保険法第1条は、「被保険者の疾病、負傷・・・・に関し保険給付をなす」と規定しています。さらに、国民健康保険法60条は、被保険者が「故意」に事故を生じせしめた場合は、保険給付をしないと規定し、国民健康保険法61条は、「闘争および著しい不行跡」の場合には保険給付をしないと規定しているだけです。
従って、交通事故によるけがの治療に健康保険の給付がされることは明白です。
健康保険を使用すると、法律上は、保険給付をなした健康保険組合が、加害者に対し求償権を取得する(健康保険法57条1項、国民健康保険法64条1項)ので、保険給付を受ける者(被害者)は、「第三者行為届」を出せば済むことなのです。
実際には、交通事故の場合には、まず自賠責保険を使うことが多いです。
日本医師会では理事会の決定として、交通事故の場合、「自賠責保険優先適用」を公表しており、医師会会員において、実際にその通り実施されているようです。
しかし、被害者の過失が大きいとき、加害者が任意保険に加入していなかったり、加害者に支払能力がないときや、治療費が自賠責保険限度の120万円を越えそうな場合には、病院に対し健康保険を使用する旨強く依頼する必要があります。
おとなしくしていると、いいかげんに、「交通事故には健康保険は使用できない」と説明する病院があるので、注意しなければなりません。
救急車で運ばれたりして本人が説明できないときは、付添い人が、健康保険の適用を注意すべきでしょう。
交通事故に関する質問・相談 Q1. 休業期間中の収入について 先日交通事故に巻き込まれてしまったため症状が完治するまで入院を余儀なくされてしまいました。 これによってしばらくの間職場で働くことができなくなってしまいます。 この休業期間中の収入というのは休業損害として加害者に支払ってもらうということはできますでしょうか。 Q2. トラック運転手です。 先日横断歩道を渡ろうとした際に交通事故に巻き込まれてしまいました。 当分の間仕事を休むことになるので休業損害金を請求しようと思うのですが、その計算方法について教えていただけないでしょうか。 Q3. 友人が交通事故に巻き込まれました。 重傷を負ったものの命に別状はありませんでした。 友人は以前会社員として働いていたのですが現在は専業主婦として家族を支えています。 この場合休業損害賠償を求めることというのはできるのでしょうか。 このようなご質問・ご相談は南森町佐野法律特許事務所へお任せください。 電話番号:06-6136-1020 |
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